御代替わりし時代は平成から令和へとなりました。御譲位は約200年ぶりのことです。また本年2020年は東京オリンピック・パラリンピックが開催されます。この歴史的な出来事に立ち会えたこと、立ち会えることをうれしく思います。
約30年前『AKIRA』という作品がありました。舞台は2019年、1982年日本に新型爆弾が投下され第三次世界大戦が勃発。世界は荒廃と混迷に包まれ、再建の途上にあり、東京湾上に新たに建設された巨大都市「ネオ東京」と1年後に迫った東京オリンピックに向けて再開発が進められる旧東京。その中で生き抜き成長し変革していく少年少女が描かれています。この作品は世界に衝撃を与えました。
私たちの住む萩・阿武地域は人口減少、後継者不足、人材不足が叫ばれています。しかしながら、この地域には多くの歴史や文化、そして自然、その自然の恵みを受け育まれた農作物や海産物と多くの魅力にあふれています。また県外の方と話をするとよく耳にするのが、明治維新の原動力となった維新志士たちが、どのような教育を受け、どのようなことを学び、どのような環境で育ったのかを大変興味を持たれています。この様々な魅力あるものを従来通りだけでなく、青年としての柔軟な発想と行動力で、新たな視点から新たな形を産み、発信していくことにより、萩・阿武地域に変革をもたらすことができると考えます。
と共に、ここに住まう私たちも自分たちの住む地域の魅力を肌で感じ学ぶことで、地元の魅力をより深く理解し、郷土愛の醸成をすることで、県外のひとたちへ私たちの住まうこの地域の魅力について自信を持って伝えることできるでしょう。この人に伝えるということで改めて萩・阿武地域について見直すことができ、より深く地元の魅力を感じることができると考えます。
私たち青年会議所会員は地域社会のリーダーとして、そして企業のリーダーとして成長していかなければなりません。そのためには会員の資質向上と自己革新をはかる実践の場を提供し、リーダーを養成する必要があります。
在籍年数が短いからできない、任せられないではなく、在籍年数が短いからこそやってみよう、任せてみようと様々な経験することが大事だと考えます。
「やってみせ、言って聞かせて、させてみせ、ほめてやらねば、人は動かじ。話し合い、耳を傾け、承認し、任せてやらねば、人は育たず。やっている、姿を感謝で見守って、信頼せねば、人は実らず。(山本五十六)」
それにあわせて組織のマネジメント能力を向上させることにより、より豊かな人間性を備えた強いリーダーになることができると考えます。
今、世界は大転換期を迎えています。これからどのような世の中になるのか想像もできません。日本政府が提唱するSociety 5.0はIoT(Internet of Things)で全ての人とモノがつながり、様々な知識や情報が共有され、今までにない新たな価値を生み出すことで、これらの課題や困難を克服します。また、人工知能(AI)により、必要な情報が必要な時に提供されるようになり、ロボットや自動走行車などの技術で、少子高齢化、地方の過疎化、貧富の格差などの課題が克服されます。社会の変革(イノベーション)を通じて、これまでの閉塞感を打破し、希望の持てる社会、世代を超えて互いに尊重し合あえる社会、一人一人が快適で活躍できる社会となります。AIの進化によるシンギュラリティにより、私たちの働き方だけではなく、人間そのものの存在意義を変えてしまうと言われています。そんな中でも私たち人類は進化し革新し、順応していくと私は考えます。
想像を超えたシンギュラリティは、今までの価値観を覆す想像もできない影響を及ぼすことでしょう。その中で青年会議所の存在意義も変化するはずです。そんな状況に直面し、大きく社会環境やニーズが変貌する中で、青年会議所としてどう手を打つか、どんな視点で物事をとらえたら良いか。どんな時でも、何か方法はないだろうか、何か方法はあるはずだと、周囲を見回して様々な角度から眺めてみたり、人の知恵も借りてみれば、何とかなるはずです。何故なら「打つ手は常に無限であるから」
まずは、私たちは萩青年会議所の歴史を学び、展開してきた事業を知ることが必要です。今まで成功してきたことを繰り返すのではなく、易と不易を見極め、積極的な変革を創造し、開拓していくことが我々の使命だと考えます。そして、この地域と地域に住まう人びとに、より良い変革をもたらす力を青年に与える機会を、発展・成長の機会を提供する器であるのが青年会議所です。
挑戦する前から無理だと決めつけず、先入観を捨て、夢を描き、志を立て、仲間を集め、未来を想像し、創造しましょう。
『夢なき者に理想なし、
理想なき者に計画なし、
計画なき者に実行なし、
実行なき者に成功なし。
故に、夢なき者に成功なし。』
一般社団法人 萩青年会議所
第64代理事長 江山 普郎